音声ガイドアプリの特徴7つ|具体的な活用例まで徹底解説

博物館や美術館などで、解説の補助として活用されている音声ガイド。

近年は、各自のスマートフォンで音声解説を再生できる「スマホ音声ガイド」の導入数が増えていることをご存知でしょうか。

スマホ音声ガイドには、大きく分けて以下の2タイプが存在し、それぞれ異なった特徴を持っています。

  • 操作が簡単でコストも安いブラウザタイプ
  • 様々な機能を搭載できるアプリタイプ

この記事では、アプリタイプの音声ガイドについて詳しく解説。制作前に知っておきたい8つの特徴だけでなく、アプリタイプがおすすめのケースや活用例まで紹介します。

「スマホ音声ガイドの種類を知りたい」「アプリタイプとブラウザタイプのどちらを選ぶべきだろう」などでお悩みの場合は、ぜひ最後までご一読ください。

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アプリタイプとブラウザタイプの違い

「そもそも、アプリとブラウザタイプは何が違うの?」と感じている方も多いかもしれません。

以下の表は、アプリタイプとブラウザタイプの主な違いについて簡単にまとめたものです。

アプリタイプブラウザタイプ
オフライン環境での再生◯一度アプリをダウンロードすれば可☓基本的に不可
デザインやページ構成◯自由△テンプレートからの選択
制作コスト△対応デバイス毎に必要◯安価
機能性◯カスタマイズで搭載可能△カスタマイズ搭載可能
※応相談

アプリタイプとブラウザタイプの最も大きな違いは、音声解説の再生方法にあります。

アプリタイプは、その名の通りアプリをダウンロードして、解説を再生する音声ガイドのことです。

音声解説を聞きたい場合は、専用アプリをダウンロードして、そのアプリ内のファイルを再生します。

オリジナル開発が可能なため自由度が高く、追加で機能を搭載できることが特徴です。

一方ブラウザタイプとは、2次元コード等を読み込んで、再生ページを表示する音声ガイドのことです。

オンライン環境であれば簡単に再生でき、再生までの作業が少ないことが特徴です。

アプリタイプとブラウザタイプのどちらを選ぶかについては、音声ガイドを使用する施設や、試用期間・予算などにあわせての選択がおすすめです。

音声ガイドアプリのメリットは開発の自由度が高いこと

では、音声ガイドアプリにはどのようなメリットがあるのでしょうか。

音声ガイドアプリの最大のメリットは、開発の自由度が高いことです。

2次元コード等を読み込んで解説を再生する「ブラウザタイプ」は、再生が簡単な一方で、機能面やデザイン面を充実させることは難しいです。

しかしアプリタイプの場合は自由なデザインや機能の搭載が可能になります。

アプリタイプでは、たとえば以下のようなことができます。

アプリタイプで可能なこと
  • GPSやビーコンなどの位置情報を取得し、展示物に近づくと自動的に再生できるようにする
  • 制作会社のテンプレートにはないデザインや、ページ構成の自由なレイアウトを行う
  • アプリをダウンロードできるユーザーを限定することで、SNSにて拡散できないようにする

上記の例は、すべてアプリタイプでのみできることです。

そのため「デザイン性にこだわりたい」「様々な機能を搭載してオリジナリティのあるアプリにしたい」といった場合は、音声ガイドアプリの制作がおすすめです。

音声ガイドアプリの特徴8つ

音声ガイドアプリ(アプリタイプ)には、そのほかにも以下のように数多くの特徴が存在します。

  • インターネット環境がなくても利用可能
  • GPSの利用により、展示物に近づくと自動的に音声を再生できる
  • 追加コンテンツで来場者の満足度を上げられる
  • 若い世代の人や外国人に訴求できる
  • 清潔に使用できる
  • 課金型アプリでの音声解説の提供も可能
  • ダウンロードに時間や通信費がかかる
  • 制作費は見積で確認

以下、1つずつ順番に見ていきましょう。

1.インターネット環境がなくても利用可能

音声ガイドアプリは、事前にアプリをダウンロードしておけば、インターネット環境がない場所でも利用できます。

山の中や田んぼの中などでも、「電波が届かないから再生できない」といったことはありません。アプリが入ったスマートフォンさえ持っていれば、場所を問わずいつでも再生が可能です。

そのためFree Wi-Fiを提供していない施設や、庭園などの屋外の施設でも、通信容量の心配をすることなく、音声ガイドを楽しんでもらえます。

2.GPSの利用により、展示物に近づくと音声を再生できる

GPSの利用により、自動的に音声を再生できることも特徴の1つです。

庭園などアウトドアで音声ガイドを利用する際に、「鑑賞している物にあった音声解説が自動で再生されれば良いのに」と思ったことはないでしょうか。

音声ガイドアプリでは、GPSを利用することで、展示物に近づくとポップアップが表示され音声を再生できます。

3.追加コンテンツで来館者の満足感を上げられる

アプリタイプの音声ガイドでは、従来の専用機器を使用するタイプでは導入できなかった、追加コンテンツの導入も可能です。

たとえば、音声解説と連動した選択式のクイズを追加すれば、解説が難しいと感じているお子さんの理解度アップにもつながります。

また来場者が主体的に参加できるコンテンツがあることで、更なる満足度向上も期待できるでしょう。

4.若い世代の人や外国人に訴求できる

これはスマホ音声ガイド全体の特徴と言えますが、若い世代の人や外国人に訴求できることも特徴の1つです。

普段から使い慣れたスマートフォンでそのまま解説を聞けることは、外国人やスマホに慣れている若い人にとって嬉しいポイントです。

使い方もアプリをダウンロードするだけと手軽なため、例え日本語が分からない場合でも再生方法を理解しやすく、スタッフに声をかける必要もありません。

また専用機器のレンタル・返却手続きが不要なことから、今まで音声ガイドを利用したことが無かった人や、機械を借りるのは面倒だと思っていた人にも気軽に試してもらうことができます。

5.清潔に使用できる

従来の専用機器を使用するタイプは、機器の貸し出しが必要となる以上、どうしても消毒などの手間が発生してしまいます。

特に現在は感染症の流行により、今まで以上に衛生面での対策が求められていると言えます。

こちらもスマホ音声ガイド全体の特徴とはなりますが、スマホ音声ガイドでは来場者の端末をそのまま使用するため、消毒等の作業が必要ありません

そのため、たとえコロナまた流行ったとしても安心して使ってもらうことができます。

6.課金型アプリで音声解説を提供できる

課金型アプリで音声解説を提供できることも、アプリタイプの特徴の1つです。

またアプリ内で無料と有料のコンテンツを分けることもできるため、たとえば

  • 常設展の解説:誰でも無料で再生できるようにする
  • 特別展の解説:400円を支払った人のみ再生できるようにする

といったことも可能です。

有料のコンテンツを複数作成すれば、音声ガイドを新たな収益源とすることも期待できます。

7.音声ガイドで展示物をより魅力的に演出できる

実績が豊富な種類のナレーターによって、施設の魅力を引き出す音声ガイドを提供できます。

日本語・英語・中国語など多言語に対応しているため、インバウンド対策にも効果的です。

また、作成したナレーションの音声ファイルに、BGM・効果音を挿入することもできます。さまざまなバリエーションのナレーションと音を組み合わせることによって、イメージに合う音声ガイドを作成できます。

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音声ガイドアプリの活用例

スマホのイメージ

現在では、多くの施設や業界で、音声ガイドアプリが活用されるようになりました。

ここからは、音声ガイドアプリがどのような場面で利用されているか、活用例を具体的に紹介します。

なお、ここでの音声ガイドアプリは、Webブラウザアプリではなく、インストールして使用するネイティブアプリのことを指します。

ミュージアムガイド

スマホ音声ガイドのュージアムガイドは、制作費や運用維持コストが非常にリーズナブル。また制作期間も短期間なので美術館や水族館はもちろんイベントなどにも最適!

美術展・博物館|音声ガイドアプリで展示内容を深く学んでもらえる

美術館や博物館においては、音声ガイドアプリは熟練のガイド役となり、展示内容についての深い理解を与えてくれます。

年配の方や視力の悪い方など、文字での解説を読むことが難しい方でも、音声であれば解説を聴くことが可能となるため、来場者体験を向上できます。

また、音声ガイドアプリであれば、解説のクオリティも一定です。声の大きさや説明のスピードなどが一定の解説は理解しやすいため、満足度の向上につながるでしょう。

特に、ブラウザの音声ガイドではできない音声ガイドアプリ特有の魅力として、館内の通信環境が整っていなくても、アプリであればオフラインで動作が可能という点もあります。

水族館・テーマパーク|音声ガイドアプリでお子様も楽しめる

水族館やテーマパークには、お子様連れのお客様も多く来場されます。

音声ガイドアプリはターゲットとなる客層を複数指定できるため、お子様向けの分かりやすいガイドを作成することが可能です。

スポットごとに詳しく解説して、魅力や見どころを深く理解してもらえれば、満足度アップにつながるでしょう。

また、注意喚起としても利用できます。

● 触れてはいけない展示物やアトラクション
● 靴を脱いで入ってもらう部屋
● 飲食禁止の建物

上記のような説明も、音声ガイドアプリで対応できます。
特に、GPSで施設内のみに利用制限をかければ情報漏洩を防げることも、ブラウザの音声ガイドではできない音声ガイドアプリ特有の魅力です。

神社仏閣・観光地|外国人観光客が多く訪れる場所に音声ガイドアプリを活用できる

多くの外国人が訪れる神社仏閣や観光地でも、音声ガイドアプリは活用されています。
外国人観光客は、施設スタッフとのコミュニケーションや多言語表示の分かりにくさなど、言語面で非常に不便を感じていることも少なくありません。

音声ガイドがあれば、多言語で観光地や展示物の説明ができるため、魅力をより深く知ってもらうことが可能です。
また、外国語スタッフがいなくとも案内ができるため、人件費の抑制にもつながります。観光地での禁止事項の注意喚起も、音声ガイドで容易に行えます。

特に、アプリ特有の魅力として、通信環境なしで多言語の対応がスムーズにできるでしょう。Webブラウザの音声ガイドだと、複数の言語機能があると、それだけ読み込みに時間がかかります。
たとえば、日本語のほかに英語・中国語・韓国語と言語が増えると、機能が複雑になり、通信負荷がかかってしまいます。
しかし、アプリ内のオフラインで完結していれば、多数の言語機能を実装しても通信負荷なしで観光客に利用してもらえるでしょう。

酒造見学|感染対策に音声ガイドアプリを活用できる

酒造見学では、音声ガイドアプリを活用することで、感染症対策を行いながら見学を楽しめます。

通常であれば、案内スタッフの口頭説明のもと、原材料や製造工程の見学を行います。口頭説明の場合、ウイルス感染症を懸念される方がいるかもしれません。

その点、音声ガイドがあれば、案内スタッフが同行する必要がないため、感染リスクを避けながら見学ができるという安心感があります。
また、多言語対応があった場合でも、前述の通り比較的スムーズに動作することが音声ガイドアプリの魅力です。

写真展|音声ガイドアプリで作品の詳細を説明できる

写真展での音声ガイドアプリは、展示作品の詳しい説明をする際に活用されています。

写真展では、パネルで作品を解説していることが一般的ですが、パネルに記載できる内容には限りがあります。会場が混雑していると、読むこと自体が困難な場合すらあります。音声ガイドがあれば、自分のペースで情報を知ることができるため、作品に対しての印象もより強くなるでしょう。

また、通信が混みあっていても、オフラインで動作する音声ガイドアプリなら問題ありません。

企業研修・説明会|音声ガイドアプリで従業員の業務を効率化できる

企業研修や説明会においては、従業員の業務効率化を目的に音声ガイドアプリが使用されています。

今までの研修や説明会では、会場の設営や資料の準備などが必要になり、従業員の負担が大きくなっていました。さらに、就活生やその保護者、求職者に向けたパンフレットなど、対象者に合わせた準備も必要でした。

音声ガイドアプリを用いれば、対象者別の内容に沿って解説できるため、時間や費用を削減できるといった利点があります。

また、自宅でも説明を受けられるといったメリットもあります。知りたい情報が繰り返し聞けるため、研修や説明会の内容についての理解もさらに深まるでしょう。

その他、セキュリティ面でGPSで利用制限をかけられる点は、音声ガイドアプリ特有のメリットといえます。外部からの情報漏洩を防げる点は、企業にとっては非常に重要です。

伝統工芸品|取扱説明書に音声ガイドアプリを活用できる

力あふれる伝統工芸品に音声ガイドアプリを活用すれば、取扱説明書の役割を果たしてくれます。

伝統的な技術・技法が受け継がれたものにはこだわりが多く込められていますが、見ただけで全てを知ることは難しいものです。

音声ガイドアプリがあれば、使い方や楽しみ方・大量生産品との違いなどを言語化できるため、魅力をより伝えやすくなります。また、多言語化された音声ガイドを使えば、外国人観光客にもその魅力を知ってもらえます。

また、音声ガイドアプリ特有の魅力として、デザインを比較的多彩に表現できます。
そのため、伝統工芸品を通して伝えたいコンセプトをより鮮明に表現できるでしょう。

ショッピングセンター|音声ガイドアプリで施設案内だけでなく商品告知もできる

ショッピングセンターで音声ガイドアプリを使えば、施設案内はもちろん、商品やイベントの告知にも役立ちます。

大規模なショッピングセンターでは、お目当てのお店の場所が分からなくなることが度々あります。音声ガイドを使えば、位置情報や館内の地図について分かりやすい説明を行うことが可能です。マップの周辺で利用客が混雑することもないため、満足度や利便性の向上につながります。

またGPS機能を利用すれば、「事前にアプリをダウンロードしている利用者が施設に近づいたときにお得な情報を通知する」機能というように、音声ガイドアプリで多彩な機能を実現できます。

観光バス|音声ガイドアプリでバスガイドの人件費を削減できる

観光バスにおいても、音声ガイドアプリを活用できます。

今までは、バスガイドの解説で観光スポットを楽しむことが、観光バスならではの魅力とされていました。しかし近年では、人件費削減を理由に、バスガイドが不在のツアーも増加しています。

音声ガイドがあれば、全ての乗客に同じクオリティで分かりやすい解説を提供できます。繰り返し再生することもできるため、気になったスポットの情報を、何度でも聞いて深く理解できるでしょう。また、ツアーに伴う注意事項が正確に伝えられることも、音声ガイドの大きなメリットです。

また、バスのような移動がある状況では、通信環境にかかわらず動作する音声ガイドアプリは適しているといえます。

ホテル|部屋の案内に音声ガイドアプリを活用できる

音声ガイドアプリは、ホテルで部屋案内にも活用できます。

ホテル予約サイトの口コミで、部屋の使い方が分からなかったという声を見かけることも少なくありません。音声ガイドを活用することで、テレビの視聴方法や空調の設定、アメニティについての説明などを正確に伝えられます。

また、日本語表記の分からないインバウンド客でも、多言語化された音声ガイドで正しい情報を理解してもらえます。ほかにも、ホテル周辺の観光地を紹介するといった活用方法もあります。

さらに前述の通り、通信環境に左右されない点は、音声ガイドアプリの魅力といえるでしょう。ホテル内の通信環境に障害があっても、トラブル時の対応として活躍する可能性があります。

音声ガイドアプリの特徴 まとめ

スマホとイヤホン

この記事では、音声ガイドアプリのメリットや特徴について解説しました。

従来の専用機器を用いる音声ガイドとは異なり、アプリタイプでは好きな機能を自由に追加できます。

また一度ダウンロードした後はオフラインでの再生も可能なため、屋外での再生が主となる場合にも向いています。

予算にある程度余裕があり、機能面やデザイン性を充実させたい場合は、ぜひ音声ガイドアプリの制作を検討してみてください

ただしアプリタイプの制作時には、時間がかかる・予算を超えやすいなどのデメリットも存在するため、もし音声ガイドの導入を急いでいる場合は、ブラウザタイプの音声ガイドがおすすめです。

ブラウザタイプの音声ガイドの特徴については、以下の記事で詳しく解説しています。

アプリタイプとブラウザタイプのどちらを制作しようか迷っている場合や、違いについてより詳しく知りたい場合は、ぜひ以下の記事もあわせてご一読ください。

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