エンタメ化は必須?!いま求められる工場見学とは

工場見学を行うメリットといえば、
 ①見学者が直接製品や技術に触れ・学ぶことによって宣伝効果がある
 ②製造工程をオープンにし、製品と経営に対する安心感と信頼を獲得する
この2つが主なところでした。

しかし、ネット上での評判がメディアに波及し易くなり、自社の株価にも影響する時代になると、工場見学は単に参加する消費者だけを意識したものに留まらず、取引先や投資家、従業員、地域住民といったステークホルダー全体への影響をより意識したものへと変わっていきました。

近年ではこうした企業のブランディング戦略の一環としての側面から、工場見学とショールーム、資料館などの営業・広報機能を一体化した企業ミュージアム化などに取り組む企業も増えています。

いずれにしても、せっかく興味を持って足を運んで来てくれるのですから、しっかりと来場者のハートを掴み、いち消費者からファンへ、さらに口コミ広告塔にまでなってくれる機会となれば最高ですね。
その為には企業側の意識と見学者の要求とを一致させ、満足度の高い工場見学にすることが不可欠です。

ではどのようにすればそのような工場見学を実現することができるのでしょうか?
今回は「工場見学にいま求められているものとはなにか」、考えてみたいと思います。

工場見学を取り巻く状況の進化

かつての工場見学といえば、児童・生徒が参加する校外学習というイメージが強いものでした。
しかし2000年頃から、社会人による「大人の社会科見学」が静かなブームとなり、また大型連休に家族で出掛けるイベントとして紹介されるなどメディアで注目されるようになると、来場者により高い満足度を提供できるような工夫を凝らした工場見学が登場するようになりました。

そして現在、工場見学はものづくりと体験型観光とを組み合わせたクラフトツーリズムの盛り上がりとともに、新たな盛り上がりを見せています。

工場見学に求められるものの変化

このような時代の変化に合わせて、工場見学に求められるものも変化していきます。

「工場見学に行く」という選択が他の娯楽と同じ選択肢に加わるようになると、見学者はかつてのようなシンプルな学習機会のみの工場見学では物足りないと感じるようになりました。
またこうした見学者の要望に応えようと、先進的な工場のいくつかは様々な工夫を凝らした工場見学へとその姿を変えていき、見学者の工場見学全体に求める満足度のハードルをさらに上昇させていきました。

その結果、現在の工場見学には、その肝である「学習的な要素」に加えて「娯楽的な要素」を持ち、より高い満足感が得られるイベントであることが求められるようになりました。
これに対する回答が、工場見学のエンタメ化です。

工場見学の今と昔で求められる内容の違いを図示。

工場見学のエンタメ化

エンタメ化とは、娯楽性の高い要素を加えることによって見る者の興味を惹き、楽しませることで、率先した取り組みや深い理解を得る手法や現象のことをいいます。

既に教育・小売・外食・医療・福祉といった様々な業種や分野に取り入れられている他、人権やSDGsといった社会課題の周知・取り組みにも活用されています。

これを当てはめると、工場見学のエンタメ化とは「見学者の知的好奇心を刺激することよって、製品・技術への興味を掻き立て、深い理解と充実感を生み出すこと」と言い換えることができるでしょう。

エンタメ化に重要な3ポイント

エンタメ化を進める際に気を付けるべきポイントが3つあります。それは、

お城のような工場のイメージ図。
そこまでではなくても、自由な発想が重要です。
1.固定観念に縛られないこと

エンタメの醍醐味には意外性と非日常性があります。
「〇〇はこういうもの」というパターン化したイメージに捉われることは、これらの魅力を損なうことに繋がります。
自由で大胆な発想がエンターテインメントには必要です。

理解がやる気を呼び起こすイメージ図
2.分かり易さを重視すること

難しい技術や用語などを分かりやすく説明するのは当然ですが、演出の意図や体験の方法なども直感的で分かり易い方が見学者の積極的な参加な促し、理解や満足度を高めます。

目的を包み込み受け入れやすくするイメージ図
3.サービス精神を忘れないこと

企業の目的と見学者の満足、この2つのバランスが重要です。
伝えたい内容を押し付けではなく、ムリなく積極的に受け入れてもらえるように、常にサービス精神で包み込む意識を忘れないように心掛けましょう。

エンタメ化の種 工場見学 × 〇〇

「さぁ、それではあなたの工場をエンタメ化してください!」
といわれても何から始めたらいいのかは、なかなか難しいものです。
そこで、既存のエンターテインメントから1つを選び、「〇〇のような工場見学」をテーマに考えてみるのはいかがでしょうか。
既存のコンテンツをテーマに設定することで、イメージが明確になり易く、またエンタメ要素を工場見学の形に取り込みやすくなります。

【工場見学 × エンタメ の実例】

工場見学 × テーマパーク
工場見学 × XR技術 ※
工場見学 × ゲームセンター
工場見学 × サイエンスショー
工場見学 × 謎解き

どのエンターテインメントと結びつけるかによってゴールの姿も大きく異なります。
取り扱っている製品との親和性はもちろん、エンタメ自体の話題性や想定される来場者の属性に合わせるなど、より多くの相乗効果が期待できる組み合わせを選ぶことも重要となります。

※XR技術=現実世界とデジタル仮想世界を融合させる技術(AR・VR・MR)の総称

聴くエンタメのご提案

そうはいってもすぐに施設を建てたり、機材を導入したり、専門のスタッフを準備したりするのも難しい。
そんな方にオススメなのが、聴くエンタメです。

聴くエンタメのメリット

①大きな設備投資や初期投資が不要
→音声コンテンツはその他のエンタメ化と比べて少額での制作が可能です。
 またどのような規模でも取り組むことができます。

②スタッフの配置は最小限
→来場者の誘導を音声が担うので、最小限の人手で実施することができます。

③来場者に合わせた対応が可能
→多言語や大人・子どもなど来場者の属性に合わせた展開が可能です。

④聴覚のみで完結する
→聴覚以外の五感(視覚・触覚・嗅覚・味覚)をフリーにすることも、活用して相乗効果を狙うこともできます。

聴くエンタメの一例イメージ

聴くエンタメの活用例 スポーツ観戦 × 実況中継

皆さんの身近なところにある 〇〇 × 聴くエンタメの代表例といえば、スポーツ観戦 × 実況中継ではないでしょうか。

スポーツ観戦をするときに、現地で観戦しつつ、ラジオなどで実況中継も同時に楽しむ、というファンも少なくありません。近年いろいろな競技でスポーツ観戦(リアル)× 実況中継(音声)のサービスが提供され、新しいスポーツ観戦のスタイルとして広まっています。

スポーツ観戦×実況中継のイメージ図

工場見学 × 聴くエンタメ = 音声ガイド のご提案

工場見学 × 聴くエンタメの形とはすなわち音声ガイドですが、昔ながらの味気ない音声解説のイメージではありません。
目指すのはあくまでエンタメ化。スポーツ観戦に実況中継を組み合わせたように、工場見学にも聴くエンタメと呼ぶに相応しい音声が必要です。

目指すのはあくまでエンタメ化。スポーツ観戦 × 実況中継 と同じように、リアルな体験 × 音声情報でエンタメ性を高めた、楽しみながら理解が深まる工場見学です。

ではどんな音声であれば最適でしょうか?
そのヒントは聴くエンタメの一大プラットフォーム、ラジオに注目すると見つかりやすいかもしれません。
ラジオの多種多様なジャンル、そのパッケージを音声ガイドに落とし込んでみると……

レポーターと工場を探索するロケ番組
技術や製品知識を学ぶ教育番組
意外な事実や小ネタ・開発の裏側を楽しむクイズ・情報番組
会社の歴史や人物にフォーカスしたドキュメント番組

工場見学 × 音声ガイド × ラジオでさまざまな体験を実現することができそうです。
皆さんならどんな番組と掛け合わせますか?

迷ったら ぜひご相談ください

いかがだったでしょうか。
今回は今や工場見学においても必須のエンタメ化から、音声ガイドの活用法についてご紹介しました。
これから工場見学の実施を検討される方や、今行っている工場見学を見直したい方の参考になりましたら幸いです。
工場見学×聴くエンタメに興味がございましたら、ぜひMUSEUM Guideまでご相談ください。

エンタメ化を通して来場者のハートを掴みにいきましょう!