訪日イタリア人観光客は増えており、イタリア語によるガイドの重要性が高まっています。
とはいえ
「どうしてイタリア人に音声ガイドが必要なのか?」
「外国人はみんな同じような対応ではだめなのか?」
という方も多いと思います。
そこでこの記事では、イタリア人観光客へ向けた音声ガイドの必要性について記述します。
具体的には
- イタリア人は増加傾向
- イタリア語の音声ガイドが必要な理由
- イタリア語の音声ガイドが必要な場所
という順番で重要なポイントに絞ってご紹介していきます。
インバウンド対策をしたいという方はご参考にしてください。
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イタリア人の観光客は増加傾向
イタリア語の音声ガイド考えるうえで、イタリアの人口が増加傾向にあることを意識しなければなりません。
イタリアの総人口は2000年の時点で5,694万人ですが、2018年には6,043万人まで増えています。
これは2018年の「世界の総人口ランキング」で23位という好成績でした。
イタリアの総人口は10年でかなり増加しているため、今後はイタリア人をターゲットにしたビジネスが増えてくるかもしれません。
イタリア人の観光客の推移
人口増加が進んでいるイタリアですが、日本に訪れる方も増加傾向です。
特に、ここ5年間の訪日イタリア人観光客は右肩上がり。
訪日イタリア人観光客の推移をみてみると、2014年には80,531人だったのが2018年には約1.9倍の150,060人になっていました。
イタリア人に日本が人気の理由
ここ5年間の訪日イタリア人観光客は増加傾向にありますが、なぜイタリア人は日本に訪れるのでしょうか?
考えられる理由をみていきましょう。
温故知新が素晴らしい
イタリア人は日本の古いものと新しいものの融合に心を奪われるようです。
- 新旧のバランスが良く、それぞれが共存しているのが素晴らしい。
- 都市では、街・ショッピングセンター・駅などあちこちで日本の最新技術を感じられる。
- 都市から少し離れるだけで、日本の歴史を存分に感じられる古都がある。
- 対照的な2つの異なる世界を保っている日本は本当に素晴らしい。
イタリア人からみた日本は、新しい技術や文化を積極的にとり入れながらも古くから伝わる伝統や文化を大切にしている国という印象が強いようです。
交通の便が良いことやルールを守る国民性
イタリア人が日本を好きになる理由の一つに交通の便があるようです。
日本が安心して電車・バス・タクシーや飛行機といった公共交通機関を利用できる国というのは世界的に有名な話。
イタリアでは遅延や故障が頻繁に起こるそうですが、日本では大幅な遅延は珍しいといえます。
また、日本人の「決められたことをきちんと守る姿勢」にも感心するイタリア人も多いといいます。
交通ルールを守ることも、交通の便を良くするうえで必要な要素ですよね。
災害時の対応が良く安心感がある
イタリアと日本の共通点は震災国であること。
震災国に住んでいるイタリア人だからこそ、日本の災害時の対応には感心しているようです。
特に災害が起きた時の対応の速さや処置の速さが素晴らしいんだとか。
災害に対して事前に対策するなど、防災意識の高さも安心感を与える要因となっています。
一回あたりの消費額が多い
現在、訪日イタリア人のインバウンド消費額は伸び続けています。
訪日イタリア人のインバウンド消費額は2015年で209億円でしたが、2018年には355億円まで増加しました。
イタリア人の消費額が多いのは、金銭感覚によるものでしょう。
日本人は将来のために貯金するという感覚を大切にしますが、イタリア人は将来に対する重要度が低いそうです。
イタリア人の多くは「明日生きているかわからないのにどうして準備するの?今この瞬間を楽しもうよ」という考えから、いまを楽しむ為の出費は惜しまないといいます。
このような国民性が消費量を増やしている要因といえそうです。
また、良いサービスに対してチップを渡すという文化もあり、感謝の気持ちを相手に還元したいという思いが強いことから、サービスの良い日本人に対してもお金を落としてくれるのかもしれません。
イタリア語の音声ガイドが必要な理由
ここまでイタリア人観光客についてお話してきました。
しかし「どうしてイタリア人にこだわるの?」「他の国の人と一緒じゃないの?」と感じた方も多いはず。
ここでは、イタリア人に音声ガイドが必要な理由をご紹介します。
イタリア人は英語を話さない人が多い
あなたが日本人であれば、「日本人は英語が苦手」と認識しているのではないでしょうか。
実は日本人とイタリア人の英会話レベルはほぼ同じといわれています。
つまり、イタリア人には英語ではなくてイタリア語の音声ガイドが必要なのです。
イタリアの英語力を説明するために「EF EPI」を使わせていただきます。
EF EPIとは、国ごとの英語能力指数のことで、数値が高いほど英語力が高くなります。
それでは、日本とイタリアの英語能力を見ていきましょう。
イタリア | 指数(EF EPI) |
ミラノ | 57.75 |
ベローナ | 57.15 |
ベニス | 55.80 |
ローマ | 55.33 |
ナポリ | 53.49 |
日本 | 指数(EF EPI) |
東京 | 55.13 |
大阪 | 53.23 |
横浜 | 52.61 |
名古屋 | 50.25 |
福岡 | 48.12 |
表を見比べてみると、日本とイタリアの英語力はほとんど差がないことがわかります。
ビジネス・観光客ともに成長中
日本へ訪れるイタリア人は、観光だけが目的ではありません。
仕事の関係で来日するイタリア人も増えており、長期的に滞在するケースも多いので宿泊施設の利用も増加しています。
イタリア人のインバウンド市場は成長を続けているので、レジャーだけでなくビジネスの領域でもイタリア語によるガイドの重要性が高まりそうです。
イタリア語の通訳が少ない
イタリア語の音声ガイドが必要な理由として、日本にはイタリア語を扱える人が少ないということがあります。
まず、世界の言語について母国話者・第二言語話者・言語習得者のすべてを合わせた数字をランキングにしてみました。
- 英語 15億人
- 中国語 11億人
- ヒンドゥー語 6億5000万人
- スペイン語 4億2000万人
- フランス語 3億7000万人
- アラビア語 3億人
- ロシア語 2億7500万人
- ポルトガル語 2億3500万人
- ベンガル語 2億3300万人
- ドイツ語 1億8500万人
この結果をみてもわかるように、イタリア語を学習する重要度はまだまだ低いとされています。
通訳者をするうえでも、利用者が多い言語を習得するのが効率が良い選択だからです。
しかし、英語が通じにくいイタリア人に対してはイタリア語での音声ガイドが必要不可欠。
音声ガイドを利用してイタリア語によるガイドを導入するメリットは大きいといえます。
ツアー客ではなく個人客が多い
訪日イタリア人観光客の目的は、観光・レジャー・業務などさまざまですが、全目的を通して個人客の割合が圧倒的に多いことが分かっています。
訪日イタリア人全体の84%が個人客というのでおどろきです。
そこで考えないといけないのが、ツアーなどの団体客に比べて個人客は旅行ガイドなどがついていない事が多いということ。
ツアーであればツアーガイドがいますが、個人旅行でガイドを雇うのは人材・費用面で大変です。
そんな時にイタリア語での音声ガイドがあれば、訪日イタリア人観光客はガイドを雇わなくても旅行を楽しむことができるのではないでしょうか。
イタリア語の音声ガイドが必要な場所
観光庁の「訪日外国人消費動向調査」によると、2019年の訪日イタリア人は
- 宿泊費
- 飲食費
- 交通費
- 買い物代
- 娯楽・サービス費
という順番でお金をかけていることがわかりました。
そのため、旅行客は宿泊や食事ができる温泉街や古都観光地に訪れる可能性が高いと考えられます。
また、ビジネス目的での訪日も多いことから、ビジネスシーンでもイタリア人向けの音声ガイドが必要になっています。
展示会
展示会はさまざまな企業が集まり、新商品やサービスなどを告知・宣伝するイベント。
外国人来場者に興味を持ってもらうブース演出のひとつとして、音声ガイダンスが有効です。
来場者は他のブースへも足を運びますので、資料を配布するだけでは印象が薄くなってしまうことも。
音声ガイドを活用することで、自社商品への印象を高めることが可能になります。
また、日本語のみで展示している企業が多いなか展示会で多言語によるアプローチができれば、それだけで外国人観光客を引き寄せることができるでしょう。
温泉街
近年、温泉が外国人観光客からの人気を集めています。
観光庁が訪日外国人に取ったアンケートによると、外国人の温泉に対する感想が明らかになりました。
- 訪日前から温泉に期待していた人 26.5%
- 訪日中に温泉を体験した人 33.9%
- 次回の訪日で温泉を体験したい人 41.2%
- 実際に体験して満足した人 88.8%
温泉に興味があるのはイタリア人も例外ではありません。
そんな中、温泉街では外国人の方に以下のことを伝える必要があります。
- タトゥーのあるお客さまへの対応
- 正しい入浴手順やマナーの説明
日本ではタトゥーがある方の入浴をお断りする温泉が多いですが、外国人はファッション感覚でタトゥーをする人も多いでしょう。
そのため、シールを張って隠してもらう・水木を着て入浴してもらうなど、ルールを詳しく説明する必要があるのです。
また、日本の温泉には「かけ湯」などの独特なマナーがあります。
日本文化に馴染みが薄い外国人には丁寧な説明が欠かせません。
イタリア語を使って詳しい説明をするのは大変ですが、音声ガイドを利用することで施設側の負担を減らすことが可能になります。
古都観光地
近年の外国人観光客は、日本文化の体験を重視する傾向があります。
これはコト消費とよばれ、訪日旅行の定番になりつつあるのです。
そして、体験の思い出をより深くしてくれるものが情報でしょう。
古都にある建造物は、歴史的に価値のあるものや背景を知ることで面白いものばかり。
そこで、母国語であるイタリア語で音声ガイドをしてくれる施設があれば、イタリア人観光客も満足できるのではないでしょうか。
イタリア語の音声ガイドでイタリア人を呼び込もう
この記事では、イタリア語の音声ガイドの必要なシーンについて説明しました。
訪日イタリア人は増加傾向にあり、ひとりあたりの消費額も大きなものです。しかしイタリア人は英語を話さない人が多く、イタリア語による音声ガイドを必要としています。特にイタリア人が多く利用する展示会・温泉街・古都観光地には音声ガイドが有効といえるでしょう。
イタリア語による音声ガイドを利用して、インバウンド対策を万全にしてみてはいかがでしょうか。