日本を訪れる外国人(インバウンド)は年々増加傾向にあり、日本政府観光局の調査によれば、2019年には3,000万人以上の外国人が来日しています。
外国人観光客対策として、案内板への多言語表示の追加といった対策を進めている施設も増えていますが、なかなか外国人とコミュニケーションを取ることは難しいとお悩みの方も多いのではないでしょうか。
英語の音声ガイドの導入は、外国人観光客向けの解説や注意喚起などに大変役立ちます。
この記事では、英語の音声ガイドの導入が効果的な場所や選ぶポイントについて詳しく解説しています。
「最近外国人のお客さんが多いので、外国語のガイドを導入しようか迷っている」「英語の音声ガイドを導入するメリットを知りたい」
とお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
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英語を使用する人は世界人口の約1/3
世界中で使用している人が多い言語とのイメージが強い英語。
そもそも、英語を使用している人は世界中にどの位存在するのでしょうか。
文部科学省の資料によれば、英語は世界の言語別使用人口第2位にランクインしており、世界中で約400百万人もの人が母語として英語を使用しています。
- 中国語 885
- 英語 400
- スペイン語 332
- ヒンディー語 236
- アラビア語 200
(単位:百万人)
上記のランキングを見ると中国語の方が重要なのではとも考えられますが、世界中で英語を公用語・準公用語として使用している国は54ヶ国あり、総人口は21億人を超えます。
世界の人口は約77億人と言われているため、英語を話す人は世界の約1/3を占めていると言っても過言ではありません。
英語を母国語としない国の人でも、コミュニケーションに欠かせない言語の1つとして英語を使用していることが分かります。
英語の音声ガイド導入が効果的な理由
では、なぜ英語の音声ガイドの導入が効果的なのでしょうか。
英語の音声ガイドが効果的な理由には、主に3つの理由があります。
公用語のため、理解できる人が多い
1つ目の理由は、英語を理解できる人が多いためです。
英語は世界の共通言語として使用されているため、ヨーロッパ圏やアジア圏など英語が母国語ではない国の人でも英語が分かる人は多いです。
世界中の多くの人が理解可能な言語で音声解説を行うことは、旅行全体の満足度アップにも繋がるでしょう。
英語を使用する国は旅行支出が多い傾向にある
2つ目の理由は、英語を使用する国の旅行支出が多いためです。
以下の図は、2019年に日本を訪れた外国人の旅行支出を国ごとにランキングにしたものです。
このグラフでは支出が多かった上位6ヶ国のみを記載していますが、観光庁が行った調査では韓国や台湾・インド・ロシアなどの国も含まれています。
オーストラリアやイギリスなどの英語を母国語として使用している国は、他国と比べて旅行支出が多い傾向にあることが分かります。
英語の音声ガイドを導入すれば、商品や施設についての理解が深まり、日本での更なる消費を期待できるでしょう。
個人客にもアピールできる
ガイドと聞くとツアー客のイメージがありますが、音声ガイドは1人旅をしている観光客にもツアーガイドと同様の分かりやすい解説を提供できることが特徴です。
音声ガイドは使用する場所を選ばないため、幅広い施設で展示物の解説や注意喚起として使用できます。
英語の音声ガイドの導入が効果的な施設
ここからは、英語の音声ガイドの導入が特に効果的な4つの施設についてご紹介します。
日本庭園や公園
日本庭園は外国人から大変人気があるスポットの1つです。
日本で庭園を見学したいと考えている外国人観光客はとても多く、フランスのタイヤ会社・ミシュランが発行している「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」でも数多くの日本庭園が紹介されています。
日本文化特有の美しさが感じられる日本庭園は、四季折々の自然や表現力の豊さが評価されており、一度の来日で複数の庭園を見学する人も多く存在します。
- 庭園の歴史についての解説
- 植物や庭園全体の紹介
- 注意喚起
寺社仏閣や城郭
寺社仏閣や城郭も外国人観光客に人気のあるスポットですが、日本語が理解できないことで不便を感じている観光客も少なくありません。
観光庁の調査によれば、寺社仏閣や城郭を訪問した外国人は、主に表示言語数の不足に不便を感じたと回答しています。
- 歴史や文化に関する説明を読む 68.4%
- 参拝方法の説明を読む 46.2%
- 見学時の注意事項の説明を読む 32.0%
音声ガイドは歩きながら歴史や文化、注意事項まで全てを解説できるので、寺社仏閣の解説にもぴったりです。
- 歴史や文化についての解説
- 参拝の方法やおみくじの引き方についての紹介
レストラン
寺社仏閣と同じく、日本を訪れた外国人観光客はレストランをはじめとした飲食店でも言語面で不便を感じています。
最も困った場面は以下の3つの場面で、「メニューに写真がなく想像できない・食べ方が分からない」などで戸惑う観光客は少なくありません。
- 料理を運ぶ・注文する 65.8%
- 飲食店を見つける 32.9%
- 食べ方の説明を受ける 32.2%
レストランへ音声ガイドを導入すれば、食べ方が難しいしゃぶしゃぶなどの料理や日本特有の食材の解説にも役立ちます。
結果として食事の満足度アップにも繋がるでしょう。
- メニューや料理についての説明
- 日本特有の食材や四季の食材についての解説
- 料理人の紹介
宿泊施設
ホテルや旅館などの宿泊施設でも、コミュニケーションや言語面で不便を感じている外国人は多いです。
- チェックイン 33.5%
- 日本特有のもの(大浴場等)の使用方法を尋ねる 32,4%
- 周辺の観光情報を尋ねる 29.5%
音声ガイドを導入すれば、部屋の設備や周辺の観光情報・グルメスポットなどを簡単に解説できます。
各部屋に音声ガイドと合わせて、地図などが印刷された冊子を用意しておくとより分かりやすいでしょう。
- 施設全体の紹介
- 部屋の設備や共用部分の解説
- 周辺の観光施設や見どころの紹介
上記のランキングは、全て以下の資料を参考にしています。
(出典:訪日外国人旅行者の受入環境整備における国内の多言語表示対応に関するアンケート)
英語の音声ガイドを選ぶポイント
一口に英語の音声ガイドと言っても、複数のガイドが存在します。
ここからは、英語の音声ガイドを選ぶ3つのポイントについてご紹介します。
ナレーターの出身国や話し方の雰囲気
音声でさまざまな情報を伝える音声ガイドは、解説を行うナレーターの話し方や声のトーンで雰囲気が大きく変わります。
例えばレジャー施設であれば明るく楽しい感じ、庭園であれば落ち着いた穏やかな感じなど、施設の雰囲気に合ったナレーターを選ぶことが大変重要です。
複数のナレーターから選択できる場合は、施設の雰囲気に一番合った話し方のナレーターを選ぶことをおすすめします。
他に追加できる言語の種類
音声ガイドは英語以外にも、中国語やフランス語などの他の言語を追加できることも多いです。
来場者の傾向によっては、英語だけでなく他の言語を追加した方が効果的な場合もあります。
英語以外にどのようなな言語が追加できるか、導入前に確認しておくと安心です。
操作が複雑ではないか
「日本語が分からない人でも簡単に操作できるか」との点も、音声ガイドを選ぶ際の重要なポイントです。
来場者が操作を理解できなければ、ガイドを導入する意味がなくなってしまいます。
「もし言語が分からなくても使用できるか」を一度考えてみることをおすすめします。
英語の音声ガイドは多くの外国人観光客に役立つ
この記事では、英語の音声ガイドを導入するメリットや導入が効果的な施設について解説しました。
英語は世界の1/3もの人が使用しており、理解できる人がとても多い言語です。
英語の音声ガイドを導入すれば、更なる消費や旅行満足度のアップが期待できるでしょう。
音声ガイドの種類や特徴については以下の記事で詳しく解説していますので、合わせて参考にしてください。
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