音声ガイドを使って障がい者も楽しめる施設にしよう

音声ガイドは、障害者でも楽しめる施設づくりに役立てることができます。

バリアフリー」や「ユニバーサルデザイン」はよく聞く言葉ですし、障害者でも利用しやすい施設にするために、多機能トイレの完備や、スロープで段差をなくす等、バリアフリー化している施設は多いのではないでしょうか?

音声ガイドを導入することにより、更に障害者が使いやすく楽しめる、ホスピタリティあふれる施設にすることが可能です。

本記事では、障害があっても楽しめる施設として、音声ガイドの活用シーンをご紹介いたします。

  • 「障害のあるなしに関わらず楽しんでもらいたい」
  • 「誰にでも優しい施設づくりをしたい」

と考えている施設運営者の方は、参考にしてみて下さいね。

ミュージアムガイド

スマホ音声ガイドのュージアムガイドは、制作費や運用維持コストが非常にリーズナブル。また制作期間も短期間なので美術館や水族館はもちろんイベントなどにも最適!

音声ガイドとは?

音声ガイド(ヘッドフォン)

音声ガイドとは、音声やテキストで施設の情報や、展示品の解説を行うことのできるツールです。

専用機器の貸し出しタイプや、個人の持っているスマホで聞けるタイプの音声ガイド等、施設や紹介したい内容・使い勝手等から導入する音声ガイドの種類を選ぶことができます。

音声やテキストで情報を伝えることができる

音声ガイドは、音声やテキストの文字で情報を伝えることができます。

それぞれの施設では、来場者に展示物を深く理解してもらうため、近くに解説パネルを設置しているところが多いです。
しかし、解説パネルの記述スペースには限りがあるため、文字が小さくて読みにくく、載せられる情報も多くはありません。情報を知りたくても、障害があって読めない人や、文字が読めない子どもや高齢者もいます。

その点、音声ガイドであれば文字数の制限がありません。多くの情報を届けられますし、解説パネルを読まなくても展示内容を理解できます。

音声で情報を理解できるため、視覚障害を持つ人や、細かい字が読みにくい高齢者にも作品の魅力を伝えることができるのです。またテキストを表示することもできるため、もし音声を聴く事が困難な方でも、音声の内容をテキストで読むことも可能です。

館内の案内ができる

館内を案内するときにも、音声ガイドは有効です。

音声ガイドで案内できる館内の情報
  • 見学順路の誘導
  • トイレ・非常口等の場所
  • 施設利用や展示物鑑賞の注意喚起
  • 施設内のイベントの時間や場所

施設内や見学順路について案内図やパネル・立て札等で視覚的に館内の情報を表すことが多いかもしれません。展示物が気になって見落としてしまう場合や、視覚的に情報を得られない来場者もいるでしょう。

その点、音声ガイドがあれば、聴覚で音声案内ができ、館内の情報を伝えることができます。
その他にも、展示物には手で触れないことや、飲食禁止等、施設を利用する上での注意点も伝えることができます。

簡単に導入が可能

音声ガイドは、制作会社に依頼するだけで簡単に導入できます。

音声ガイドを作成するためには、ポイントの決定や原稿の作成、ナレーター選定、収録や編集、専用機器の準備等様々な手順が必要となります。

すべて施設で準備・作成しようと思うと、通常の業務もあるので大変ですが、音声ガイドの制作会社に依頼することで、職員の方の負担もある程度軽減できます。

また、スマホの音声ガイドであれば更に導入後の運営の手間も減らすことができます。

最近では新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止が一番のメリットとして挙げられますが、他にもスマホ音声ガイドを導入することにより様々なメリットがあります。

スマホ音声ガイドのメリット
  • 専用機器管理をする必要がない(消毒の手間や、持ち帰りの心配がなくなる)
  • インバウンド対策が簡単に行える
  • コンテンツの入れ替えが簡単
  • 人件費の削減

など

障害者に音声ガイドが必要な5つの理由

車椅子

平成30年に文化庁より施行された「障害者による文化芸術活動の推進に関する法律」の基本理念では、以下のように書かれています。

文化芸術を創造し,享受することが人々の生まれながらの権利であることに鑑み,国民が障害の有無にかかわらず,文化芸術を鑑賞し,これに参加し,又はこれを創造することができるよう,障害者による文化芸術活動を幅広く促進すること。

文化庁「障害者による文化芸術活動の推進に関する法律」より一部抜粋

障害の有無に関係なく、文化や芸術を楽しんでもらえるような施設づくりをしていくことが重要であることがわかりますね。ここからは、障害者に音声ガイドが必要な理由を5つご紹介します。

視覚障害の人でも楽しむことができる

音声ガイドは、障害の中でも特に視覚障害の人が施設を楽しむために有用なツールといえます。

弱視や高齢者等、目が見えにくい・目が見えない視覚障害者は、展示物がぼんやりとして、解説パネルを読むのが難しい場合も多くあります。入ってくる情報が少なければ、展示物の良さや魅力がわからず、施設を楽しむことができないかもしれません。

音声ガイドであれば、音声で作品の情報や内容を詳しく描写し、イメージを伝えられます。
視覚に障害があるため、聴覚のみで理解できるよう簡潔に、難しい言葉を使わずに説明することが必要です。作品を具体的に想像できるような説明や情報を提供できれば、視覚障害を持つ人にも展示物や施設を楽しんでもらうことができるでしょう。

館内のバリアフリースポットを案内できる

バリアフリースポットの案内にも音声ガイドは役立ちます。

多機能トイレがあるのか?エレベーターはあるのか?等、障害者にとっては重要な情報です。

場所がわからなければ、不安で利用を控えてしまうかもしれません。しかし、音声ガイドで誰でもバリアフリースポットの場所が理解できることを伝えると、安心して施設を利用してもらえるでしょう。

作品の詳細な情報を伝えることができる

音声ガイドがあれば、展示品や作品の詳細な情報を伝えることができます。

解説パネルに記述されているような作者や作品名のほか、背景音楽も用いて時代背景や作者の思い・雰囲気なども併せて伝えることが可能です。音声ガイドは文字数の制限がないので、施設が伝えたい作品の詳細な情報を伝えることができます。

障害に合わせて音声ガイドの内容を変えることができる

音声ガイドは来場者によって内容を変えることができます。

大人に向けて展示内容を詳しく解説した内容や、子供向けの楽しく施設・展示物を解説する内容。それに加えて障害に合わせて内容を変えることもできるのです。

車椅子の移動が必要な人であれば、車椅子席や車椅子用トイレの位置等を詳しく案内するような内容に。視覚障害を持つ人であれば、聴覚のみでイメージのわきやすいような内容にすることができます。

付き添いの人がいなくても楽しむことができる

付き添いの方も一緒に来場されるケースが多く、ゆっくりと見学してまわりたくても、申し訳なく思ったり、遠慮して全てを見ることはできないかもしれません。

付き添いの人がいなくても安全に問題がない場合には、音声ガイドがあることで自分のペースで施設内を見学することが可能となります。聴覚のみで作品の情報や施設内の場所も理解できれば、じっくりと展示物や施設を楽しんでもらえるでしょう。

音声ガイドが実際に導入されている場所

映画館にて音声ガイドを導入

映画館

視覚障害があっても、映画を楽しめるよう音声ガイドが導入されている映画館があります。個人の持つスマホを利用して、映像の内容が描写された音声ガイドを聞きながら映画を楽しめるようになっています。

総務省「視聴覚障害者等向け放送に関する研究会 報告書 ~ すべての人に優しい放送のために ~ 」によると、視覚障害者に向けて2016年には7本だった音声ガイド付きの邦画が、9ヶ月で60作品近くになったことが書かれています。

美術館

障害を持つ人でも、楽しく美術品を鑑賞できるよう、音声ガイドを導入している施設があります。

視覚障害のある人は、美術作品を楽しめるような十分な情報を視覚的に得ることができません。そのため、難しい言葉ではなく、耳で聞いてすぐに頭でイメージできるような、理解しやすい言葉を選んで音声ガイドの原稿を作る必要があります。また、作品の色や描かれている内容を言葉で描写をして、聴覚で視覚を補うような音声ガイドを提供しています。

より具体的にわかりやすく、音として聴くだけで頭の中でイメージできる言葉や単語を選んで理解しやすい音声ガイドであれば、視覚障害があっても、美術品の鑑賞が楽しめます。

博物館

美術館同様、聞いた人がイメージしやすいように詳しい描写をして、聴覚で情報を得られるような音声ガイドが博物館でも導入されています。

そのほか障害があっても楽しめるように「触る」「嗅ぐ」等、別の五感を用いて、作品を体感できるように環境を整えている施設もあります。

障害者が安心して楽しむことができる施設にしよう

音声ガイド(スマホ)

スロープや車いす用トイレの設置等、バリアフリー化を行って多くの施設で障害者が来館しやすい施設づくりをしていると思います。
障害の有無に関わらず多くの人が楽しめる施設にするためには、施設のバリアフリー化の他にも聴覚で情報を理解してもらえるような取組も必要です。

音声ガイドがあれば、視覚障害を持つ人でも施設や展示内容を理解し、楽しんでもらうことができます。また、どんな人でも楽しめるホスピタリティあふれる施設として、地域でも応援される施設にすることにも繋がります。

誰もが楽しめる施設づくりのために、音声ガイドの導入を検討してみてはいかがでしょうか?